メリンダダイヤモンドHOME > 金・プラチナ相場情報
31年ぶりに日本の貿易収支が赤字に転落し、ドル・円の固定相場360円の1971年代から
長期に続いた円高トレンドは流れが変わるかもしれないとの見方が台頭し始めている。
1971年12月に固定相場制のもとで1ドル=360円から1ドル=308円に切り上げられて以来、
40年間続いた円高傾向が終止符を打つ可能性を検証してみた。
為替相場はダイヤモン・宝石・「金」地金の輸出入品を扱う我々の仕事には
切っても切れない密接ない関わりがあり40年間為替の現場を仕事上体験して来たのだが、
為替の見通しだけは、まず経済評論家や、為替アナリストなどの分析も
殆ど当たらないという現実を40年間見てきたともいえるのですが、
このたびの転換点は、大きな転換点のように思われる。
自分達が物心ついて以来、日本は貿易立国として貿易黒字は当たり前の世界を生きて来たが、
国民総人口が減少傾向となり、先頃の総理府の見通しでは2050年頃には8700万人程度まで
減少してゆくそうですが、国別の国際競争力やGDP(国民総生産)などの民間統計でも
国民オール中流意識で1990年以前は世界2位、3位の上位に居た日本がいつの間にか
世界20位前後になっている現実なのですが、
さて貿易赤字に転じたのは、海外への輸出が減る一方で輸入が増えたからだが、
財務省発表した2011年の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は
2兆4927億円の赤字だったが、きっかけは勿論東日本大震災。
部品のサプライチェーン(供給網)が寸断して自動車などの生産が止まり、
輸出にブレーキがかかったのだが、ようやく立ち直りかけたところで
超円高と海外景気減速の逆風にさらされ、
タイの洪水で再び部品調達難に直面したのが大きな原因だ。
さらに震災後の原発停止に伴い、火力発電用の液化天然ガスの輸入が急増し、
国際商品価格の高止まりで原油などの輸入価格が上昇、これも輸入額をかさ上げした。
この結果資本収支を含めた経常収支でも数年後に赤字転落することが確実視され、
日本の衰退の結果が、皮肉にも円高のブレーキの役割を果たす可能性が強い。
この報道で78円まで円安が進んだが、米国のFOMCの超低金利政策を2013年半ばまでとしていたものを、
2014年の終わり頃まで延長するとした声明から、米国の金利上昇は遠のいたとしてドル安・円高に振れたが、
短期的にはまだ円高局面はあるかもしれないが、日本のファンダメンタルを重視する見方が台頭し、
長期的には円安に向かうと見る見方が多くなってきたようだ。
問題は日本国債の利回りだが、国の借金がGDPの2倍を超える超赤字体質の日本国債が1%以下の
利回りで安定しているのは個人預金の1400兆円(住宅ローンなどの借金を差し引けば110兆円)を
元に銀行が投資効率の良い日本国債を買っているからなのだが、
国と地方の借金の合計:は1000兆円・。
また団塊の世代が65歳になり、
退職して年金生活になり貯蓄を取り崩してゆく時代になるのが、
2012年頃からで、この預金減少が年々減ってゆけば、
いずれ日本の債務危機が意識される時が近くくるかもしれない。
これらが大きく取り上げる年内には円安トレンドに突入し、
長年続いた円高の流れが変わるかもしれない・・・理由だ。
円安になれば、国内価格は上昇の流れが来るかもしれない。
1980年にNY「金」が850ドルの高値を付けたときが、
為替は年間平均が227円であり、国内金価格はグラム5,000円の
最高高値を付けたものだった。
又ダイヤモンドがバブルであった1979年のNYでは
1ctでH カラーVVS2が約一万ドルになったことがあったが、
当時の為替が220円近辺であった為、国内への輸入コストは
220万円もしたものだったが、今は同品質の1ctでH カラーVVS2が、
6,500ドル近辺で、現在の為替76円では50万前後となっている。
NY「金」は、本日1736ドルとドル建てでは当時より2倍以上に上がっているが
為替が76円のために、国内価格は4258円近辺である。
このように円安になれば地金・ダイヤを処分する人には追い風となる可能性があり、
メーカーを中心とする日本の輸出企業には円安メリットが、
海外工場の国内回帰のトレンドに戻る可能性もあるのだが・・。
震災復興景気と、転機となるかも知れないこの円安のチャンスを生かせるかどうかは日本の正念場。
しかしながら為替のことは全くわからないのが、40年現場にいる実感でもあります。
2012年02月01日 01:17
25日のNY時間にFRBバーナンキ議長のFOMCの声明文が発表されたが、「金」にとっては非常に大きな強気材料として受け取られ、1660ドル台から一挙に1700ドルを越え、1710ドル台まで上昇して、アジア市場に戻ってきました。
1644ドル近辺の200日移動平均線を越えたあと中国の春節の休暇で実需筋が一服かと警戒している中、昨日のうちに1700ドルを越えて、50日の移動平均線、100日の移動平均線を次々と越えてテクニカル的にも、動きが軽くなりそうだ。
昨今、「金」の強気相場のもっとも根底にあったQE1,QE2など過剰資金流動性のジャブジャブ状態がさらに続くということで、中長期的に強気相場の再確認となったようです。
では金相場は急騰の理由だが?
その最大の要因は、金利の生まない「金」にとってドル金利の上昇は最も弱い材料なのですが、「金利が上がらない」との漠然とした思惑が、「2014年終わりまで本当に金利が上がらない」と市場が確信を持ったインパクトが大きいようです。
米国の最近の好調な経済指標で利上げ、資産購入計画の終了などの緩和政策の終了が警戒されていたが、逆に低金利政策の時間軸を延長したのみならず、バーナンキ議長はQE3への可能性にも言及し、また同議長は、「資産の売却開始はおそらく2015年になるだろう」とも指摘しており、膨張したFRBの保有資産は拡大することはあっても、縮小が検討される状況にはないことを市場が確認したことは大きな安心である。
これは、昨年に「金」相場を過去最高値(1,923.70ドル)まで押し上げた「金」相場を
取り巻く強気環境が、「低金利と量的緩和政策」でドルの通貨価値を減価させるものから、
現在も維持されていることを明確に示しているようだ。
昨年9月以降は、欧州財務金融危機からの流動性危機を受けて「金」よりも米国債やドルが志向され、ドル資金を確保する為に依然として、欧州系銀行などから「金」売却圧力が継続していることが指摘されたが、昨夜のFEDの金融緩和策の継続によってドル資金確保と「金」高騰の免罪符が与えられたようだ。
更に欧州中央銀行(ECB)や中国人民銀行にも利下げムードが強く漂い、世界的金融緩和傾向は投資家の「金」買いにかなりの安心感を与える結果となりそうだ。
「ドル資金調達難→欧州系銀行の金売却→ECBなどの資金供給策拡大→ドル資金調達難の緩和→欧州系銀行の金売却一服」の流れが、年初来の金相場が昨年12月29日の1,523.90ドルをボトムにの安値是正に向かった原動力であったが、昨日(25日)のFEDの声明は転換点となったようだ。
さて、注目のドル・円の行方であるが
一昨日発表された2011年の日本の貿易収支は31年振りの赤字となり円が売られ、一円以上の円安となった。
未曽有の大震災に見舞われた日本はついに「貿易赤字国」へと転落した。
通年での赤字は1980年以来で31年ぶりだ。これまで巨額の貿易黒字を積み上げてきた「輸出立国ニッポン」。その成長モデルが大きな転換点を迎えているとしてドル安・円高基調の転換かと囃されてきたが、昨夜FEDの低金利政策の時間軸延期はドル高・円安を一夜にして打ち消したようであるが、日本の貿易収支の赤字は今後も改善の兆しは難しく、資本収支を含めた経常収支も早晩赤字になることは明白であり、日本国債の値下がり、国債利回りの上昇と円安方向とならざるを得ないのかもしれない。

円安ともなれば輸入コストが一円変動するごとに現在の1710ドル絡みとすると55円の
変動幅が生じ、円安で国内のグラム価格は上がり、逆に円高になるとグラム価格は下がります。
(レポートは弊社の調査・研究による独自の分析で、売り買いをお薦めするものではありません、
ご判断は各自のご判断でお願いいたします)
2012年01月26日 14:53
先週13日に米国の格付け会社S&PはトリプルAのフランスを含むユーロ圏9カ国の一斉国債格下げ、マーケットに一瞬緊張が走りましたが、NY「金」市場は瞬間1624ドルまで下げましたが、1639ドル(前日比8ドル安)まで戻して引けました。昨年9月以降のギリシャ危機から欧州財政債務危機が再燃するつど、リスク資産の手仕舞い売りから1800ドル台から1500ドル台に急落してきた「金」市場では、流れ的には50ドルから100ドル下げても不思議ではないネガティブなビッグニュースでしたが、明けて16日のアジア市場でも14時現在1639ドルと、ユーロの急落(1.2626、対円では97円13銭)を尻目に底堅い動きとなっています。噂で売られてニュースで買い戻される形になっています。しかしながら一方ではリスク資産として上値を叩かれる危険性を孕む欧州財政債務危機の根は深いと思われることから、今回の下がらなかった市場に対しては懐疑的な見方も多くあるようです。しかし「欧州財政債務危機再燃=リスク資産売り」の パターンに変化の兆しが見られる水準の安値にあるからと解説する向きもありますが、中国を始めとするアジアの実需と外貨準備の中での「金」の比率を増やす公的保有が顕著に出ていることにも注目です。WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)の13日発表の公的金需要の2011年は、第1四半期が120.15トン、第2四半期が90.18トン、第3四半期が42.87トンの買い越しになっているそうで、中央政府の購入は2009年4月以降で累計977.54トンの買い越しになっている。2005 年以前は年間500トン前後の売り越しであったが、今は逆に年間500トン前後の買い越しに転じており、年間総生産量が2800トン前後の「金」には大きなインパクトになっている。加えてインド・中国の2カ国の年間実需が1700トンあり、工業用需要や「金」ETFへの投資需要がリサイクル(投資家の売りや個人の中古の金製品の売り)の供給の約1000トンを加えた供給総量を需要が上回っていることだ。2011年に最も大量の購入を行っているのはメキシコの97.75トンであり、次いでロシアの95.55トン、タイの52.88トン、韓国の25.00トンが目立つ。メキシコは、10年末には7.1トンまで保有金を削減していたが、11年第1四半期に93.3トンもの一括購入を行った。タイも外貨準備の分散志向を強めており、10年第3四半期から継続的な金購入が実施されている。韓国や中東のトルコも金保有率を高めていることも、欧米通貨の不安定と猜疑心から無国籍通貨である「金」に向かっている事は確かなようだ。また個人の資産構成の中に「金」の比率を考えて購入する人達が小さなインゴット・金貨などに米国でも中国でも日本でも広がっているようだ
国内価格も2010年初頭から円高にも拘らず(一円の円高は凡そ53円ほど国内価格を下げます)500円以上も値上がりしている事から日本の個人投資家も財産の目減りを防ぐ資産構成として「金」が注目されているようだ。
(レポートは弊社独自の研究・分析によるもので売り買いをお薦めするものではありません、ご判断は各自のご判断でお願い致します)

2012年01月16日 14:19
昨年の「金」相場は1400ドル近辺から始まり、9月初旬にザラ場高値で1923ドルの史上最高値をつけた後、欧州金融危機から全てのものが売られ、「金」もリスク資産として売られ、12月末のNYでは薄商いの中、ザラ場安値1523ドルの下値から年末最終日30日の終値で1566ドルで引け、年間では160ドル、率にして11.6%の上昇相場となった。明けて2012年の新年相場では昨年末に下げすぎた分の買戻しが入り、10日現在1620ドル近辺で推移しているが、2008年9月のリーマンショック以来となる欧州財政金融不安の行く末が懸念される2012年の「金」相場はどうなるのだろうか?
昨年の日本では空前の金地金、及びネックレス・指輪などの使わなくなった金製品の売却ブームに沸いたが、金価格が1トロイオンス1900ドル台から一時1500ドル台まで急落した昨年9月下旬。大手地金商や「金」買取りショップでは長蛇の列がすっかりなくなっていた。地金、コインから工芸品に至るまで、換金のため数時間待ちもあったのは、わずかその2週間前だったが、その後は待ち時間は全くなくなり、売る人達も少なくなった。「金価格を読むのはプロでも難しいのだが、一般の人の判断がこれだけ見事に的中したのには驚く」と金のディーラーらエコノミストが舌を巻く。又年末には新年度より200万円以上の金地金の販売・売却については税務当局への届出義務が必要となることから、年末の地金の売りも多かったようだが、年が改まりその売りもすっかり鳴りを潜めている。そのような世相を映すように昨年の日本の「金」輸出は1-11月までの財務省の発表によれば輸出入の差が約106トンの輸出超となり、過去最高の金地金が日本から、香港、ジュネーブ、ロンドン、バンコク、シンガポールなどの各都市に流れている。昨年の輸出単価平均は1グラム約4050円で、合計約4300億円分を海外に売ったことになります。日本の金地金は2000年までは毎年輸入量がコンスタントに100トンから250トンほどあり、戦後から通算すると退蔵用地金だけでも2000トンほどは買い込まれたと推定されているが、それらの退蔵用地金が2001年から05年までは年間平均14トンの輸出量があり、2006年から10年までの年間平均79トンの輸出量となり、金の産出が僅かに8トン前後の日本が輸出国となったのだったが、2011年は大きく輸出記録を塗り替えた。
さて新年の動きですが、先週金曜日(6日)は市場が注目する米国雇用統計でした。非農業部門雇用者数は15万5千人増の予想に対して20万人増と予想以上の増加。失業率も予想8.7%に対して8.5%とこれまた予想よりもいい数字で2009年2月以来とほぼ3年ぶりの好水準で、これを受けてドルは上昇、ハンガリー格下げもあって下げ止まり感のない ユーロとは逆にドルが買われました。NY「金」にはあまり動意なく、1625ドル近辺にある200日移動平均線が天井となっているように頭が重くなっています。
2012年の金相場の予想をエコノミストや市場関係者は1350ドルから2100ドルに見ている人が多いようだが、では2011年度を振り返り2012年を展望してみよう。
2011年は1400ドル近辺から始まり1900ドルまで駆け上がり、其処から1500ドル近くまで値下がりした激動の一年だった。
1.金価格、史上最高値1900ドル突破。後、1500ドル台まで急落
2011年は「金」価格がプラチナ価格を逆転した年でもあった。1トロイオンス1500ドルでも歴史的高値圏なのだが、今や、1500ドルがレンジの下限になってしまった。1500ドルまでの上昇は新興国の宝飾需要、そして新興国中央政府の外貨準備など長期保有の買いに支えられているのだが、1900ドルに至る短い期間の急上昇の過程はヘッジファンドの先物買い主導のバブル的な様相であった。
2.公的部門金購入が年間400トン超の見込み
2005年以前にはIMFなどを中心に年間500トン前後の売り越しが続いていた公的部門が、今年は、逆に400トン程度の買い越しに転じた。韓国、タイ、メキシコ、ロシアなど新興国中心に米ドル、ユーロに偏った外貨準備を「金」や円にシフトさせる動きが顕在化。年間2800トンの生産量の「金」市場に、500トン+400トン=900トンの変化は需給の様相を変えた。これら新興国の外貨準備高に占める「金」の比率は10%以下であり、欧米の70%のそれに比べてかなり低く、今後も「金」へのシフトが続く可能性が高い。
3.中国、インドの年間金需要が1700トン超え
足元では経済減速基調だが、通年で見ると、インド1000トン、中国700トンの大台突破は確実。この2カ国で年間金生産量の6割を買い占めたことになる。こうした実需は長期保有となるので相場の大きな支えとなる。
4.欧州財政金融危機問題が換金売りを誘い急落
ギリシャ危機に端を発した欧州ソブリンリスクから、投資家のリスク回避志向が進行する中で、金も「安全資産」から「リスク資産」とされ「Cash is king」の流れは世界的に広がり、世界中の株式・商品・貴金属・原油が売られることになり、リーマンショックの再現相場となったが、欧州危機の根は深くリーマンの時の「民」から欧州各国に飛び火し、スペイン・イタリアの国債利回りも7%を越える危険水域に入り「官」のリスクは長引きそうである。
5.JPモルガン・チェースが金を金融取引の担保として認定
欧米で「金」が金融取引における適格担保として活用され始めたことは、「金」がコモディティー(商品)からマネー(金融商品)としての色彩を強める流れを象徴する出来事であった。
6.金ETFの時価総額がNY株ETFを抑えてトップに
「金」というコモディティーを有価証券(ETF)の時価総額がスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500種株価指数に連動するETFを上回るという、まさに株から「金」へのマネーシフトを如実に示す現象であった。「金」ETF最大手のSPDRの年末の残高は1254.57トンの現物の金地金をロンドンの銀行地下に保有している。
7.過去最大級の世界的金リサイクルブーム
日本でも金買い取りブームが新聞・テレビの話題にもなったが、世界的にも「腐食せず地上に残る」・・・「金」が高値に刺激され市場に還流する動きが加速。その総量が年間1700トン位、「金」価格急騰にブレーキをかける結果となった。
8.金・プラチナ、価格逆転現象
東日本大震災により、自動車排ガス清浄化触媒が主たる需要である産業用素材としてのプラチナ価格が軟調に転じた。一方、「金」は「有事」に買われることで、「金」とプラチナ価格が逆転するに至った。プラチナは工業用・宝飾用として買われるが、「金」のように無国籍通貨として、安全資産として買われることはなく、明暗を分けた。
9.欧州救済の為のIMFによる金売却の噂も絶えない。
「金」を売却して調達できるドルといってもしれたものだが、IMF支援を強調するアナウンスメント効果はあり、又イタリア・フランスなどのEU諸国が自国の「金」準備を取り崩して売却して財政の一部に用立しているのではとの噂も12月頃から出始めておリ、急落相場の後付講釈となっているが、真相は不明である。
10.ポールソン、ソロス 金売却
アイコン的なヘッジファンドが、相次いで「金」売却に走った。株の損失を埋め合わせる益出し売りである。信用収縮の中で欧州系銀行が保有金の換金売りに動いたことも年末にかけ「金」下落に拍車をかけた。
振り返ってみると、21011年は「金」にとってまさに激動の時代であった
欧州財政金融危機は当面国債を発行して(借金した)自国の発行した国債を償還しているのだが、経済成長が1%前後のところに7%の金利を払って自転車操業を繰り返していれば、いつかは破綻・デフォルト(債務不履行)に追い込まれる事になり、世界各国の金融機関や経済に大きな影響を与える事になり、ヘッジフアンド、投資信託の資金繰り悪化から、含み益がでている「金」の売却は現実的な売り要因であろう。しかしながら「金」に本格的下げがあるとすれば2013年の米国の金利政策の変換の時期であろう。FRB(米連邦準備理事会)が「2013年半ばまで継続」と明言しているゼロ金利政策の出口が見え始める時期であろうか。「金」の最大の欠点は金利を産まないこと。従って、FFレートが25べーシスでも「利上げ」となると、否、出口戦略を匂わせる程度のFOMC(米連邦公開市場委員会)声明文のニュアンス、あるいはFRBタカ派理事発言だけでも神経質に売りで反応することになろう。
2012年は米、ロシア、韓国他世界首脳の選挙があり、中国も習氏への移行と世界の指導者の顔ぶれも変わり、世界の大きなうねりも予感させられるが、有事の「金」、安全資産として買われるのか、リスク資産として売られるのか予断を許さないところである。
5年のチャートで見れば600ドル台から雄大な相場チャート描いており、10年前の270ドル近辺から見れば7倍に上昇した金相場はやはり高い水準にあると言えよう(レポートは弊社独自の調査・研究に依るもので、売り買いをお薦めするものではありません、ご判断は各自でお願い致します)
2012年01月10日 17:33
「金」相場が5日間で10%を超える急落に見舞われています。NY「金」相場12/7の終値は1743ドル、昨日12/14の終値は1576ドルで5営業日で167ドルの下げとなった。「金」のスペシャリスト豊島逸夫氏はこの急落を「劇場シンドローム現象」が起こると・・・・以前から急落場面を想定して下げの場面が来れば、劇場で火事が発生し、観客が一斉に出口に殺到する現象を、「金」市場に一旦ドルの金利の引き上げがあったり、中央政府の売り物が出てきたり、「金」ETFの売り物が出てきた場面では一斉に手仕舞いの売りが出ることを予想していたが、それらの原因とは別の欧州債務危機の表面化が、換金を急ぐ投資家の株式・原油・商品・貴金属の売りにつながり、急落場面へと繋がってしまった。従来の経験則では、欧州・米国の金融・財政危機、地政学的なリスクは、資金の逃避先として「金」に流れ込み易く、有事の「金」として買われてきたが、最近ではその経験則は当てはまらず、欧州債務危機問題は日本の失われた20年を文字って、欧州の日本化を危惧し、失われた10年に入って行くのではとの懸念が欧州国債売り、ユーロ売り、株式、原油、商品、貴金属売りとなり、その資金は弱い通貨と言われてきたドルに向って居るのが昨今の流れとなっている・・。
格付けがAAAから下がった米10年国債の利回りは1.908%と、投資家は米国に年利2%弱で10年間お金を貸しても良いと考えているが、イタリア国債は一昨日3たび7%超えになったように、年利7%以上でないとお金が集まらなくなっているのだ・・。国家の経済成長率が1~2%の状態で7%の金利で借金をしていたら、破綻するのは誰にでも判ります。そのような世界経済の中で投資家はリスク資産を全て現金にする行動にでたのが、今回の急落の真相と言える。
整理して今回の下げの要因を分析すると、
①欧州債務危機によるリスク資産の手仕舞い、②ユーロ売りの結果のドル高、③ドル高の結果ドル建て商品(原油など)の下落、④Cash is Kingの換金売り、⑤欧州救済の為にIMFが保有している「金」を売却するかもしれないと言う噂(現実には実行してもそれ程の金額にはならないが)、⑥米FOMCがQE3(金融の更なる量的緩和の第三弾)について言及がなく期待していた筋の売却に繋がった、⑦欧州のドラギECB新総裁も欧州版のQEについては消極的な発言をしている、⑧イタリア国債の利回りが7%を超える危険水域に入っている、⑨テクニカル的に1600ドル近辺にある200日移動平均線が下回ってきた、⑩世界最大の「金」の消費国であるインドが景気減速気味で「金」の実需買いが若干鈍ってきている、⑪米国のドット・フランク法によって、銀行の自己勘定による取引の制限やファンドなどへの出資削減などで市場の潤滑油を役割が減少している・・・・などなど理由を挙げると後付のこじ付けのようなものが沢山上げられますが、(下はNY「金」の日足チャート)

今後の相場を占うとすれば、欧州の債務危機がどのような形で収斂されるかが、最も大きなポイントになるのだが、昨日までの独・仏及びEU諸国には、差し迫った緊迫感のなさが市場の失望を誘っているのだが、スペイン・仏国債の格下げに波及する事になれば混迷の色を更に深める事になるが、市場では5日間で10%以上も下げたことはアンダーシュート(下げ過ぎ)と見る向きも多く、短期的には乱高下を続けながら、中期的には下げすぎた水準を少しづつ切り上げてゆくと見る市場関係者が多いようだ。需給関係の大きな流れが変化がない以上「劇場シンドローム」現象が収まり、一斉に逃げ出した観客が・・「なんだ火事ではなかったのか」・・と戻ってき始めるだろう・・。、(下はNY「金」の週足チャート)

アジアの実需筋だが、1650ドル割れ近辺から買っているが、短期筋の投げ売りを吸収するまでの量はないようだが、新興諸国の外貨準備としての「金」需要も魅力的な価格水準に来ているといえる。
過去に5日間で10%以上の下げを演じた事例を見ると、2006年6/13・・・13.9%、2008年3/24・・・8.72%、2008年910/22・・・13.74%、2011年9/28・・・9.7%の急落場面があったが、その後の5日間でいずれも1.5%以上の戻りがあったが、さて今回はどうでしょうか?(東京工業品「金」日足チャート)

15日17時現在のADR先物は1574ドル、東京工業品は一グラム当り3934円で推移している。(レポートは弊社独自の分析によるもので、売り買いをお薦めするものではありません、ご判断は各自でお願い致します)
2011年12月15日 16:57
3年前からの「金」相場の大幅上昇は手持ちの金塊や、使わなくなったネックレス・
指輪を売るチャンスと日本では金宝飾の需要をこれらの売却が上回り、
昨年は50トンの輸出超となり、今年も大幅な輸出超となる見通しである。
所謂「金」産出のない日本ではタンスの中から出てくる「金」が相当量あり、
最近では都市鉱山という新しい言葉が生まれたのでした。
ダイヤモンド・宝石・金買取でお馴染みの(株)メリンダ・ダイヤモンドでは
少しでも高く売りたいお客様のご要望にお応えすべく、
1%以下の利潤で高くお買取りをして、
しかも手数料は一切無料でお客様の売却手取り金額は何処よりも高くなるよう
努めて参りましたが、このたび本年のご愛顧に感謝し、
「ホームページ見た」キャンペーン実施中です・・ご来店時に「ホームページ見た」と
仰って頂ければキャンペーン中の「金」プラチナ買取り価格を弊社HP発表の
買取り価格より更にグラム当たり30円高くお買取り致します。
(宅配買取りも同様にキャンペーン中はグラム当たり30円高く買います)……・
また年内に査定依頼のご来社・及び宅配買取りお申し込みのお客様に洩れなく
「2012年卓上カレンダー」と「プロが伝授するダイヤモンドの賢い売り方・買い方」
小野寺靖著(弊社社長)をプレゼント中です。
ところで今年も一年を振り返る時期となりました。
東日本大震災による「津波被害」に福島原発事故、紀伊半島を襲った豪雨被害や
海外ではタイの大洪水と自然災害が多かった年でもありました。
また金融面ではギリシャ危機からユーロ圏ではイタリア・スペイン他の広範囲に国債から
資金が逃げ、7%を超える利回りで国家の資金繰りをする危機となり、
先週末のEU首脳会議では債務危機対策である程度の合意が得られましたが、
前途はかなり厳しいものとする見方が多いようです。
又米国債の格下げが現実化したことも大きな驚きであり、
行き場のなくなったお金が「金」価格を押し上げ、1900ドル台を突破した。
振り返ればニューヨーク「金」相場の2011年度は1400ドル近辺から始まりましたが、
ドル・ユーロ通過の不安からの安全資産への逃避と、
また米国のQE2(金融緩和政策)によって市場に供給された資金が
「金」市場に流れ込み史上最高値を更新し続け、9/5 には1923ドルの最高値を付け、
その後は利益確定の売りと欧州金融危機からのリスク資産の売却の流れから反落し、
12月12日15 時現在1692 ドル近辺で推移しておりますが、
12/12時点での今年の年初からの上昇率は22%を記録ております。
この高値からの反落の大きな要因に欧州金融危機が上げられます…
Cash Is King・・不安の極にあるものは全て売る、
3年前のリーマンショック後の世界同時不況を連想するような急落地合いが
世界市場を9月一杯吹き抜けたが、中期的流れを 見ると、1900ドル突破後、
1580ドル台まで急落。その後、短期的乱高下を繰り返しながら、
下値を徐々に固め、レンジが底上げされてきた。
投機マネーが売り手じまいに走った後に、アジア・新興国を中心とした
長期投資家と実需筋が買うというパターンになってきているようだが、
年末から新年にかけての「金」相場と為替の行方には目が離せないようだ。
(レポートは弊社の独自の分析によるもので、売り買いをお薦めするものではありません、
ご判断は各自でお願い致します)
2011年12月12日 14:54
欧州金融危機に市場はギリシャ・イタリアの国債の消化状況、利回りの上昇に換金売りに走ったり、IMFの支援体制を材料に逆にリスク許容度から買われたり、リスクオン・リスクオフが交互に来ながらも9/6の1923ドルを高値に3週間で2割の暴落場面を見た、9/26の1584ドルから理屈的には買われて戻し、換金売りに下げる繰り返し相場が続いている。 大きな流れでは1650ドルから1800ドルのレンジ 相場だ。最近の「金」市場は換金売りで下がり、一巡後に長期買いで上がるというシナリオを繰り返しているようである。
「金」の長期の買い手には、
①中央銀行の買い、②新興国の買い、③「金」ETF市場での年金などの買いがある。
①の公的部門の買いが今年は年間400-500トンになりそうだ。5年前までは年間に約500 トンが、IMFや中央銀行の公的部門が売りに廻っていたが、今は逆転して同じような量を買っている、その需給差は都合1000トンに及ぶ大量な需要増で、2010年の世界の年間生産量4344トンから見ても相当な量が外貨準備の中に組み込まれる「金」準備として増え続ける傾向はドル・ユーロの通貨不安の中にあって世界的な流れであり、換金売りに 下落する場面があっても、根本的な需給面を支えている大きな柱である。②新興国の買いは実需の買いの需要がインド・中国の2カ国の需要が世界の全需要の6割の1700トン以上を占めるほどに活発であり、その他タイ・ベトナム・コロンビア・メキシコ・カザフスタン・ロシアなどの「金」の増加報国がIMFの報国からも明らかになっている。③「金」ETF市場は先週23トン増加し、2408トンに増えている。その中の最大手であるSPDRは8月下旬には1230トンに減少していたが、昨日の残高は1297.32トンと8/8以来の高水準にあるように、厚生年金やファンドの投資意欲が旺盛になっている。SPDRに投資していたポールソンが保有している93トンの内、7-9月に約30トンを売却していた事が報告書から明らかになったが、それらの売りを補って余る買い手と量があった為に「金」相場には終った過去の話として、残りの60トンは何時売るのかは懸念材料となっていないようである。因みにポールソン・ファンドの取得平均コストは900ドル近辺にあったと見られる。同ファンドはバンク・オブ・アメリカの株式の大量保有が急落した事や、中国株の下落の補填に売却したものと看做されていますが、欧州国債のソブリンリスクからユーロの下落でドルキャシュ不足が生じて、ドル高となり、円も連れて対ドルで78円台に下落しているのですが、ドルを手当てする為の現金化に「金」を売る、或いは他の損失を埋めるために利の乗っている「金」を売る流れがあり、理屈の上では「金」は買いなのだが現実の換金売りと、リスク資産の手仕舞いの壁に阻まれて、上げ相場になりにくい日々が続くと見る市場関係者が多いようです。
下は円相場の5年間のチャートですが、国内相場を見るときには、海外のドル建て価格と 為替は密接な関係があります。
*ご参考・・・国内グラム価格の算出は以下の様にして計算されます。海外ドル建て価格(11/28 1692ドル)×為替(11/28 77円64銭)÷31.1035(1トロイオンスのグラム)+保険・送料諸掛け=当日グラム建て価格(10時現在4236円).GLOBEX先物のドル建て価格と為替の刻々の変動と国内の売り買いの取り組み内容によって刻々に変動しております。
現在の水準では為替1円の変動が「金」はグラム54円,プラチナは同様に51円の変動幅が生じ、円高になるとそれだけ 国内価格は下落し、反対に円安になると国内価格は高くなります。
因みに1980年に「金」は850ドルの最高値をつけて、その時の国内のグラム価格は6000円以上の高値を記録した事がありましたが、1980年の為替の平均は228円でしたので、円安のためにその当時は5000円台、6000円台がありましたが、仮に850ドルで現在の78円とすると・・・
850ドル×78円÷31.1035(1トロイオンス)=2140円1グラム当り前後ということになります。
その1980年末にゴールドが850ドルという歴史的高値を記録した時の背景は、ソ連のアフガニスタン侵攻、イランの米大使館占拠事件、第二次オイルショック、ハント兄弟のシルバー買占め事件と数多くの要因で一気にゴールドが買い上げられた時でしたが、翌年1981年には400ドル台に下落し、そこから2001年までの20年間は、右肩下がりの300ドル台から250ドル台の失われた20年と言われる歴史が、転換期を迎えたのが、2000年代に入ってからだ。最初のきっかけは、CBGA(Central Bank Gold Agreement)と呼ばれる合意が欧州の中央銀行間でなされたことで、これまで各中央銀行がゴールドを自分勝手に売却していたのを、加盟国の間で、上限の全体売却枠を決めて(初年度は400トン、その後500トンに増加)ゴールドの売却の上限を設定したことでした。これを機にゴールドは買われ始め、2001年には米国で同時多発テロが起き、第三次世界大戦はなくてもテロリズムの脅威が世界を覆い、地政学的要因としてもゴールドの買いを支える材料となった。そして失われた20年の最大の原因であったIMFの放出、中央銀行の売りがなくなった時からこの大相場が始まっており、その中央銀行が逆に年間500トンの買い手に変わったことだった。そうした実需と需要の理屈で買われながら、換金売りに晒される「金」相場の行方は神のみぞ知るのでしょう(レポートは弊社の調査・分析によるもので売り買いをお薦めするものではありません、各自のご判断でお願い致します)
2011年11月29日 16:32
15日英貴金属大手ジョンソン・マッセイ(Johnson Matthey)社が最新の需給報「Platinum 2011 Interim Review」を発表した。それによると世界需給が6.1トンの供給過剰になる 見通しだ。現在1600ドル台の国際価格の見通しを、今後6ヶ月間に1450ドル~1800ドルを推移すると予想した。平均価格として1,650ドルとの見通しが示されている。
年初からのNYプラチナ相場のレンジは1,434.50~1,918.50ドルとなっているが、
事実上はギリシャ危機を発端とする欧州債務危機問題からの、9月後半以降の世界景気後退を価格水準を追認した形と言える。
ちなみに、今年5月時点では11月までの価格見通しとして1,750~2,000ドル、平均1,870ドルとの見通しが示されていた。この数値と比較すると、欧州債務問題の深刻化がプラチナ相場を約200ドル押し下げると予測していることが確認できる。
今年3月の東日本大震災で自動車の供給ラインに支障が出て、プラチナの需要の6割を占める自動車触媒の需要が落ち込んだことや、後半からは欧州景気の低迷で需要の伸びが鈍化傾向にあることが影響しているようだ。
しかし来年を展望すると供給ラインの回復と生産減の反動、「金」に連動する形で1800ドルまで上昇する局面がありうるとも予想している。
「金」と決定的に違う事は「金」は投資用、中央政府の外貨準備の中にも繰り込まれるのだが、プラチナは工業用と宝飾用の需要が中心であり、プラチナETFはあるが、投資退蔵用には考えられない事である。
(2011年の需給見通し)
世界の供給総額 198.9トン
世界の需要総額 192,8トン
(NYプラチナ相場月足2001年~011年)
2011年11月16日 17:46
例えば本日の出来事が「点」であれば歴史的な流れが「線」と言えましょうか。
地金を或いはネックレスや指輪の中古品を処分しようと思うと、
最も高い時に売りたいのが人情です。
しかし相場の事は誰にも判りませんので、せめてその金価格の過去の流れを把握して
今の値段を「点」とすれば過去の価格推移を「線」として検証してみましょう
以下は金地金の海外相場と国内相場を為替を参考に加え1975年から現在までのものです。
金価格の推移
年次 海外の平均 国内価格平均 為替平均 備考
1975年 124ドル/1オンス 1616円/1g 297.86円
1980年 612ドル 4499円/1g 227.83円 最高値850ドル・6495円
1985年 317ドル 2490円/1g 239.62円
1990年 383ドル 1826円/1g 145.83円
1995年 384ドル 1209円/1g 95.10円
2000年 279ドル 1014円/1g 108.83円
2005年 444ドル 1619円/1g 111.26円
2006年 604ドル 2287円/1g 117.36円
2007年 695ドル 2659円/1g 118.86円
2008年 873ドル 2937円/1g 104.57円 最高値1023ドル・3339円
2009年 973ドル 2951円/1g 94.65円 最高値1218ドル・3475円
2010年 1225ドル 3477円/1g 89.79円 最高値1426ドル・3807円
2011年 1758ドル 4380円/1g 77円70銭 最高値1923ドル・4700円
*2011年11月は11日の価格です
*ご参考・・・国内グラム価格の算出は以下の様にして計算されます。
海外ドル建て価格(10/28 1750ドル)×為替(10/28 75円94銭)÷31.1035
(1トロイオンスのグラム)+保険・送料諸掛け=当日グラム建て価格(10時現在4281円)
GLOBEX先物のドル建て価格と為替の刻々の変動と国内の売り買いの取り組み内容に
よって刻々に変動しております。
1980年に国内価格が6000円/1gを超えたことがありましたが、ドル建て価格で850ドル・・・
為替が227円の時でした・・・今の77円で850ドルとすると2100円/1gとなります。
相場の先行きは誰にも判らず、神のみぞ知る世界なのですが、
「線」で捕らえると今の水準は歴史的に最高値である事がわかります。
又大事なポイントは為替の動向ですが、
為替一円の変動で現在のドル建て価格とすると一グラム57円の変動があります。
即ち、円高になると国内価格は安くなり、円安となると高くなるわけです。
(レポートは売り買いをお薦めするものではありません。
ご判断は各自の自己責任にてお願い致します)
2011年11月11日 16:04
年初1400ドル近辺から始まったNY「金」は欧州金融危機を始とする通貨不安や過剰流動性による投機資金の流入や中央政府の「金」準備へのシフト、中国・インドの需要に押されて9/5に1923ドルの高値まで500ドル強の上昇をした後、ギリシャ危機による信用不安からリスク資産の換金処分の嵐に9/26の1584ドルの安値を付けるまで300ドル以上も急落したNY「金」相場が11/7には1800ドル手前の1795ドルまで持ち直してきた。波乱の「金」 相場を取り巻く世界経済から今後の「金」相場を分析してみます。
Cash Is King・・不安の極にあるものは全て売る、3年前のリーマンショック後の世界同時 不況を連想するような急落地合いが世界市場を9月一杯吹き抜けたが、中期的流れを 見ると、1900ドル突破後、1580ドル台まで急落。その後、短期的乱高下を繰り返しながら、 下値を徐々に固め、レンジが底上げされてきた。投機マネーが売り手じまいに走った後に、長期投資家と実需筋が買うというパターンになってきているようだ。
今月の初めには米FOMC,G20、10月米雇用統計の発表と大きなエベントが続いたが、「金」相場にはマイナス材料に反映するものはなかったようだ。まずFOMCではバーナンキ議長の演説は今後も金融政策の変更がなく、13年半ばまでは今の金融緩和が継続されることが確認され、更なる追加緩和策の可能性に言及した事は金利を生まない「金」にとってはプラス材料であった。G20の内容はギリシャ問題に終始し、確たる問題が出てこなかったが、ギリシャの国民投票を藪から棒に出したギリシャ首相が世界の非難攻勢に国民投票を撤回し、自らの辞任と引き換えに連立政権として出直してゆく経過は信用不安からのリスク回避の売りを避けたといえる。またECBの新任のドラキ総裁が挨拶代わりの0.25%金利を引下げ、1.25%にした措置は同様に金利を生まない「金」には大きなプラス材料となった。一方注目の雇用統計は8万人の雇用増と予想の9.5万人に届かなかったが、失業率は9.0%と0.1%改善し、マーケットは中立に捕らえていたようである。最近の市場ではリスク資産として売られる新たな展開となり、時には安全資産として買われるような日替わりの解釈が交錯するようだ。
ところで最近の相場は毎日30ドルから80ドルの変動幅で大きく動くのは
オバマ米大統領主導の米金融規制改革法(ドッド・フランク法)と言う新しい法案が、 その中に商品先物も米商品先物取引委員会(CFTC)を通じて規制の対象となっている。 原油、穀物などの商品価格が投機マネーにより乱高下することで庶民の生活が脅かされるという批判にオバマ氏が答えた形だが、これによって銀行やヘッジファンドの自己勘定取引部門が、動けずに取引の潤滑油を欠いたような形になり、価格が折り合うまで大きな変動幅が生じるようになった背景があるようだ。
ところで「金」を取り巻く状況に大きな変化はなく、数ヶ月前と同じように
「金」の上昇要因は
(1)リーマンショック後からの過剰流動性による世界的インフレ懸念
(2)中東の地政学リスク
(3)ギリシャからイタリアに移ってきた欧州の財政債務懸念
(4)ドル・ユーロの通貨不安
(5)インド・中国の旺盛な宝飾需要
(6)中央政府の「金」購入と基本的な要因には変わりはないようだ。
外貨準備や中国インドなど新興国の個人により買われてきた実需は大きな下支えであり上昇相場の期待である。中国とインドだけで世界の年間金生産量の3分の2を買い占め希少資源として長期退蔵しているBRICsや韓国、タイ、メキシコなどの諸国は外貨準備の通貨の構成を変更し、ドル偏重を改め少なかった「金」の比率を増やしていることなどはIMFの「金」売却の終了などと共に需給関係を今までとは大きく変えた要因である。
下落要因としては
(1)米国の金融政策が利上げに転換する時であるが、この時には金利を生まない「金」 を売ってドルを買う流れで 表層雪崩現象が起こる可能性がある。
(2)歴史的高値圏にありリサイクルの「金」の実需の売りが断続的に出ることや
(3)ETFやNYコメックス先物の投機筋の高値圏での売り物が株式・原油の下落から換金売りに連動し、リスク資産として売り浴びせられる可能性は常にある。
(4)ギリシャ財政の破綻懸念、イタリアの国債価格急落による信用不安からリスク資産として「金」をも売却するリスク回避の流れが出てきている。
ここへ来て、本格的な上昇相場につなげるには、「リスク資産」から「安全資産」への評価切り替えが必要不可欠と考えられます。このため、「リスク資産」としての市場の評価が続く限りは、1,600ドル水準でボトムを確認したとの消極的な評価に留めざるを得ないかもしれず、改めて1,900ドル、2,000ドルを試すには、通貨価値の希薄化などのマクロ投資環境のリスクをポジティブ材料として評価することが必要不可欠であるように思われます。
(レポートは弊社独自の分析によるもので売り買いをお薦めするものでは有りませんご判断は各自でお願い致します)

2011年11月08日 18:33